信託報酬を含むファンド管理費用が0.11772%と非常に低いeMAXIS Slim 先進国株式インデックスですが、スペックだけが独り歩きしているようです。
実際の運用状況を見るところ、他の投信と比べてあまり変わるものではありません。
過大評価されすぎかと思われます。
毎日100円ずつ積み立ててみた結果は?
私が口座を持っている楽天証券で、取り扱っている「つみたてNISA」対応の先進国株式インデックスは
①eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (ファンド管理費用 0.11772%)
のほかに
②ニッセイ 外国株式インデックスファンド (ファンド管理費用 0.11772%)
③iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)(ファンド管理費用 0.2052%)
④たわらノーロード 先進国株式(ファンド管理費用 0.216%)
と4つあります。
どの投信もMSCI Kokusai Index(MSCIコクサイ インデックス)(円換算ベース)と連動する投資成果をめざすものです。
どのファンドも同じ目標で運用しているのですから、運用成績は本来であればファンド管理費用が安い順に好成績にならないとおかしいです。またファンド管理費用の関係から、上の①~④の順に収まると思っている人がほとんどかと思います。(①と②は同率ですが当初の管理費用が①が低かったため①の方が好成績になるはず)
実際の運用結果は?
私は今年の1月初めから毎日100円ずつ積み立てしていますが、その結果は次の通りです。
1位 ②ニッセイ 外国株式インデックスファンド(ファンド管理費用 0.11772%)
2位 ③iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)(ファンド管理費用 0.2052%)
3位 ④たわらノーロード 先進国株式(ファンド管理費用 0.216%)
4位 ①eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(ファンド管理費用 0.11772%)
何と一番成績が良くなるはずの①eMAXIS Slim 先進国株式インデックスが最下位に沈んでいます。
反対にファンド管理費用の高い③iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし)は2位で、しかも1位のニッセイ 外国株式インデックスファンドもほぼ同値です。
最下位といっても0.1%程度の差ですからそれほど大きいというわけではありませんが、それでもこのファンドを選ぶ人は「ファンド管理費用が安いからお得」と思って買っているのですから釈然としません。
ファンド管理費用に0.1%もの差がある「たわらノーロード」とほぼ同じなのですから少なくともお得というほどではありません。
運用成績に違いが出る理由
いかにインデックスファンドと言っても、MSCI Kokusai Indexと連動する投資成果を「めざす」だけで、実際はファンドマネージャーが売り買いしているわけですから、どうしてもマネージャーの「腕」で差が出てしまいます。
要はiFree のマネージャーは腕が良く、eMAXIS Slimのマネージャーは今ひとつということでしょう。
iFreeシリーズは他の投信でも軒並み好成績ですのでファンド管理費用にかかわらずお買い得と言えます。
反対にeMAXIS Slimシリーズはどの投信も今一で、同じようにTOPIX投信でも、ニッセイに水を開けられています。「買って損」ということはありませんが、特に成績が良いわけではありませんので「賢い選択」とまでは言えないと思います。
多くのブログやサイトがeMAXIS Slimシリーズを推薦していますが、カタログスペックを見てのことで、実際の運用成績を比較しているわけではないかと思います。
そういうのに乗せられることなく、自分の目で確かめてから大切なお金を投資したいものです。