札幌ドームでのスノーマンのコンサートへ行った感想です。
市内のホテルの予約や飛行機の手配などが高くて大変でしたが、それは序の口でした。
特に帰りの混雑は今まで経験もしたことのない酷いもので、まさに「地獄絵図」さながらでした。
その時と様子と対処法をまとめましたのでご覧ください。
何がどう酷いか
地下鉄東豊線にのみ頼る輸送手段
まずは札幌ドーム近辺に地図を見てください。
札幌ドームから徒歩で行ける範囲にある駅は地下鉄東豊線の「福住」駅のみです。
東豊線は「福住」駅が終着駅ですから反対側に歩いても何もありません。
バスも札幌やその他の駅に向かうバスもコンサート終了時刻(19時30分)には終わっていて乗ることができません。
結局コンサートに来たほとんど全ての人(50,000人)は地下鉄東豊線の輸送力にのみ依存することとなります。
東豊線の定員は約800名ですから首都圏の最大乗車率200%(1,600人)で計算しても31.25本の電車が必要となります。
コンサートが終わって以降で最終電車(24時)までの本数がちょうど31本ですから、全車超満員の電車が最終電車まで続いて計算上やっと捌けるという計算です。
実際の状況
ドームの建物を出るのに1時間
コンサートが19時30分に終わって席の場所によって順番に退出するよう誘導されました。抜け駆けできないよう案内のあるエリア以外からは出口がシャットアウトされ出ることはできません。
延々と待たされた挙句やっとのことで約1時間後に観客席から出ることができました。観客席から出てドームの通行エリアまで出ましたが、そこで「駅方面は北口、タクシーは南口」と案内されます。
駅へ向かう北口方面の列は通路にびっしりで終わりがどこかも見えません。しかも全く動いている様子もないので、将棋倒しなどのリスクも考えて南口を目指すことにしました。
北口からの駅への最短ルート
南口へはスムースに出られましたがタクシーはもちろん長蛇の列。2~3時間待ち以上なので南口から出て駅へ徒歩で行くことをおすすめすると案内されました。
ドームから出て南口の出口へ向かうもそこも長蛇の列。再度北へ向かうか迷いましたが警備員さんが「南の方がまし」と言うのでしばらく写真を撮ったり手持ちの食べ物飲み物で栄養補給するなどして時間を置いてから南口の列に並びました。
南口からの出口はとても狭くあまり多くの人が出られない構造のようで出るまでに30分ほど待ったような気がします。
南口からの迂回ルート
出てから延々の歩きも並ぶよりまし
その後外へ出ましたが駅までのの道はぐるっと迂回して向かう道になるため通常の倍近い距離の徒歩を余儀なくされます。
それでも身動き取れない列に並ぶよりは全然ましなのでアドレナリンが出ていたせいもあるでしょうが余り疲れを感じませんした。
なお途中に焼肉店と回転すし店がありましたがどちらも混んでいる或いはラストオーダー終了で入店できませんでした。
やっとの思いで「福住駅」に付いたのが21時40分ごろでコンサート終了から既に2時間が経過ししかもずっと立ちっぱなし歩きっぱなしなので疲労困憊です。
やっとの思いで駅に着くもさらなる地獄が
やっと駅に着いたし時間も相当経っているので満員かもしれないけど電車に乗れるだろうと考えましたが甘かったです。
駅は改札口からびっしりと並んで全く動く気配もありません。
最初の計算通り理想的に捌いても24時の最終までかかるので当然と言えば当然です。
列に並ぶ気も起きないので駅に併設されたバスターミナルのベンチで缶コーヒーを飲みながら時間をつぶして空くのを待つことにしました。
もう足も限界なので座って休むことしかできないほど追い詰められていたように思われます。
地獄に仏でタクシーで帰還
そうこうしてターミナルのベンチで休んでいると、ふと「札幌にお帰りですか」と隣に座っていた女性2人組に声を掛けられます。
聞くとコンサート終了後からずっとタクシーGOで探していてやっと捕まったので一緒にいかがですかという有難い申し出でした。
もちろん断る理由はありませんから二つ返事で同車をお願いしました。あまりに有難かったのでタクシー代(3,000))強のほとんども負担させていただきました。
こうして札幌のホテルに付いたのが10時30分でした。
タクシーの申し出がなかったら多分24時前後までさらに時間を空費していたはずで本当に地獄の様な体験でした。
どうするのが最善だったか
早めに出る
一番良いのは最後までコンサートを見ずに早めに帰路に着くことでしょう。
アンコールまで見ずに途中でドームから出てしまえばスムースに駅まで歩いて空いている電車に乗って帰れたことでしょう。
しかしせっかく当たったコンサートチケットですので最後まで見たいというのも人情というものです。
南口から出てひたすらタクシーを呼ぶ
最後まで見るのならば私の辿ったルートで買えるのが最適でしょう。
南口⇒迂回して駅⇒タクシーを駅に呼ぶ です。
まずは南口からドームの敷地を出てタクシーGOでひたすら探す他はなさそうです。21時30分くらいには何とかなりそうな雰囲気でしたので運が良ければ早めに捕まえられるでしょう。
東京などではかなり普及しているタクシーGOですが札幌では使っている人は少なそうですので捕まりやすいかもしれません。
車(レンタカー)で行く
福住駅に併設されたショッピングセンター「シーナシーナ」の営業時間は20時までなので帰りに間に合わないと思う所ですが、5階6階の駐車場については23時まで出庫可能です。
南口から迂回すれば22時には駅に到着が可能ですので十分間に合います。
ただし入庫できないことも考えられますので早めに行って空きを確保することが必要でしょう。
SNSで見たところコンサートの始まる2時間前の15時ころは十分に停められたとの情報もありましたので少なくともその程度には行きたいところです。
使うのは帰りだけと割り切って昼前に現地へ行って駐車をして電車でいったん札幌に戻るというのも一つの考え方だと思います。
札幌ドームは致命的な欠陥施設
結局のところコンサートなどのイベント終了後にこれだけ苦労させられるのは札幌ドーム自体が致命的な欠陥施設であることによると考えられます。
50,000人入る箱を作っていきながら交通手段が全く確保できていないというのは致命的な欠陥です。
普通これだけの施設ならば徒歩圏内に電車が2線以上を確保したいところです。
それが1線のみでしかも始発駅のため片側方向にしか捌けません。これでは計算上最もスムースに乗車できたししろ終電まで捌ききれないという事態を引き起こすのも当たり前です。
また札幌や他線近隣駅への直行バスが廃止されたのも問題です。そもそもこの施設を作った時の想定はこれらのバスが運行されるという前提で計画したものでしょう。
それを施設が赤字だからと言って何の手当もせずに唯単に範囲して客をほっぽりだすと言う姿勢は考えられません。
それならば観客の総数をせめて30,000人程度に制限するという手段も考えられますが、そうすると主催者側の採算が悪くなり施設を使ってもらえなくなるというジレンマが発生してしまうのでしょう。
結局は甘い運営見通しで市の能力に見合わない巨大な施設を作った挙句に採算が悪化して前提のサービスまで切り捨てて客と地元に負担を強いている構造になってしまっています。
日ハムが札幌ドームから出るというニュースを聞いたときは何と勿体ないことをと思った記憶がありますが、ここまで運営と見通しが杜撰だと日ハムがそういう思い決断(行政を敵に回すというのは通常の企業ならば絶対避けるべきこと)をしたことも「仕方ないな」と思わざるを得ません。
本当に欠陥品で改善策も考えられませんので一日も早く見切りを付けて全面取り壊した上で札幌市の身の丈にあったサッカー専用のスタジアムを作り直すことが最善かと思われます。