投資信託

高齢の両親が高リスク投信を買わされていたので速攻で解約した話

妻から頼まれて80歳の義母の証券口座を調べてみてびっくりです。ほとんどが投資信託になっていて、どれもリスクが高く、手数料も高いものばかりでした。このままでは老後の資金が根こそぎなくなってしまうおそれがあるので、何とか説得して全て解約してもらうことができました。証券会社の営業相手に自分の意思を通すことが難しいと思っている方も多いかと思います。参考になればと思います。

80歳女性のポートフォリオ

証券会社から送られてきていた報告書を見るとポートフォリオは次のとおりでした。

①ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド 1,000万円 購入直後

②ダイワ米国MLPファンド 500万円で購入し現在320万円(含み損180万円)

③ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし 200万円で購入し現在100万円 ただし分配金100万円

④個別株 すかいらーく(優待目当て)武田(先月に勧められて購入:これもだだ下がり)

数年前から夫婦で株をやっているのは知っていました。その時は個別株の話をしていたので「好きで買っているのだろう」と思っていましたが、今回見るといつのまにか大半が投資信託になっていて、しかも投入額が増えています。

さらに1,000万円投入しているインドはつい先日に利益(70万円)の出ていたioT関連の投信を売って買ったとのこと。80歳の高齢者がインド株がどんなものか知っているはずはありませんので証券会社の担当者が言葉巧みに買い替えを勧めたものと思われます。

ガラパゴス投信

こういう証券会社や銀行など「売る方」にだけメリットがあって「買う方」は損するだけの投信を堂々と売っているのは日本だけだそうで、一部ではガラケーをもじって「ガラパゴス投信」などと呼ばれています。

売るときに3.24%の販売手数料を取り、保有するのに毎年1.7%程度の手数料を徴収されます。この手数料は買っても負けても取られ続けますから「売る方」は確実に儲かり「買う方」は確実に損します。

さらに運よく利益がでればそれを売却させて別の投信を買わせます。そうすることでさらに販売手数料3.24%ゲットです。利益が出れば20%の税金がかかりますが、そんなのは全くお構いなしです。

全ての投信が目論見通り上がるわけではありませんから全部が大きな含み損を抱えて投資資金がなくなれば「担当者が代わりました」と言ってサヨウナラです。

1回の投信の取引で5%は手数料が持っていかれるので、20回取引すればほぼ0になってしまう計算です。情報に疎い高齢者の資産を奪うことを目的としているとしか私には思えません。「ガラパゴス投信」とは良く言ったものです。

解約を説得する

まずは本人の説得です。本人が担当者の方を信じてしまっていたら如何ともしがたいですから、まずはその洗脳を解かなくてはなりません。

①証券会社や銀行が悪どい手口で高齢者に投信を売りつけている事例が頻発して問題になっている。実際の記事を見せる。例えばこんな記事。

認知症高齢者に6千万円投信売りつけた銀行 「信頼」の看板逆手にあくどい契約横行、モラルはどこへ?

見せた感想は、銀行は悪どい売りつけをするというニュースは知っていたが、証券会社は違うと思っていたとのこと。(高齢者の認識はこんなものかもしれません。)

②証券会社に預けている資産1,500万円を毎月5万円ずつ取り崩しても25年持つ。現在80歳なので105歳まで毎月5万円のお小遣いがある。無理に殖やすことはない。

③解約する旨を担当者に言うとまた丸め込まれてしまうので、私も一緒に証券会社に行って解約手続きをサポートする。

④どうしても株を楽しみたいなら、新たにネット証券の口座を開いて、私が指示通りに売り買いの手続きを代行する。ただし規模は現在の1/10程度にして「遊び」の範囲として楽しむ。今は1回株の取引すると手数料が10,000円以上かかっているのであまりにもったいない。

これまでの株価上昇のお陰で、少しばかり儲かっていたので、ある種の「ギャンブル依存症」気味になっていたようです。完全にやめさせようとすると心理的に抵抗するかもしれないので逃げ道を提供しました。

心を強く持って全てを即解約すべき

こういう場面に遭遇すると、どうしても手持ちの株がもう少し上がるのではないかと「様子を見よう」ということになりがちです。

しかし良く考えてみてください。手持ちの投信や株は本人がこれがほしいと思って買ったものではありません。言葉巧みにその気にさせられたものばかりです。

つまり「持っていることに何の意味もない」ものです。

上がっていようが、下がっていようが、これから上がりそうかとか全く関係ありません。何も考えずに即座に売ることが最善の道です。

こういう迷いを持っていると証券会社の営業マンに付け込まれてしまいます。心を強く持って全て解約しましょう。

解約手続きの様子

全て解約することを本人に十分に納得してもらい、翌日、義母、私、妻の3人で証券会社に乗り込みました。

義母:「○○さん(担当者)をお願いしたい。」

私:「解約しに来たのですぐに呼んでほしい。」

受付「お約束はおありでしょうか?」

私「ありません。すぐに呼んでください。」

受付の女性は電話で連絡。しばらくすると受付の女性がやってきて

「あいにく、○○(担当社)はお休みをいただいています。」

十中八九居留守を使ってますね。こういう人たちですから、解約して成績が下がって可愛そうなどと思う必要がありません。

私「解約の手続きをするだけなので誰でもいいから呼んできてください。」

こういう時は毅然として意思を伝えれば、コンプライアンスに厳しい大手企業は無視できません。

しばらくすると若い社員が現れたので、

私「家族で話し合って、すべて解約することに決めたので、すぐに手続きを進めてください。」

若い社員「買ったばかりの投信もあるので上司の許可がいります。」

私「それではその人を呼んできてください。私が直接話をしますから。」

何だかんだで抵抗しますが無視して良いです。お客はこっちなのですから商売人に遠慮する必要はありません。

10分くらいして上司が現れました。

私「80歳の高齢者にリスクの高いインド投信を1,000万円も勧めるなんてどういうことですか?あなた自分の母親にも同じように勧めますか?」「ioT投信で利益が出たのだから、どうして含み損が出ているMLPを捌いて税金を払わないようにしないのですか?」などと一通り嫌味を言ってから「とにかく損がでても構わないので全て売却して、指定の銀行口座に振り込んでください。」とだけ言いました。

上司の方は淡々と事務を進めてくれましたので私はそれ以上何も言わなかったのですが、頭に血が上っていた妻が「こんな高齢者に一人で判断させて、おたくの業界はおかしいんじゃないか?」と問い詰めると「担当者が契約するときに上司で電話をして再確認を行っている」とのこと。これでしょう。 高齢顧客への勧誘ルールについて

若い外務員にこういう証券会社だけが儲かるガラパゴス投信を売らせているのは、他ならぬその上司なのですから、こんなガイドラインに何の意味もなく、単に業界のアリバイ作りにすぎません。例えて言えば、若い外務員が日大のタックルした選手で上司が内田監督のようなものです。許可を出す方がより悪質なのですから何の防御策にはなっていません。まさに噴飯物の冗談のような対策です。

こんな感じで手続きは終了しました。後は無事に銀行口座に着金するのを確認して終了です。

まとめ

こういう交渉の時は「怒っている」ということを相手に見せることが重要です。

普通の人であれば、相手が「怒っている」とその場を何とかしようと、できることは何でもしてしまいます。普通ならば言葉巧みに営業トークをかけてくるところですが、こうなると「早く手続きを済ませて帰ってもらおう」という心理になってしまいます。

証券会社の人はトラブルに慣れているといっても、所詮は「堅気」の普通の人ですから怖がることはありません。そもそも、私たちの要求は自分の資産を自分の言う通り動かしてくれという正当なもので、彼らに四の五の言える権利は全くないのですから。

その後、かなり頭が冷えてきたのか、1,500万円もの大金を株につぎ込むこと自体の怖さが身に染みてきたようです。ようやく実感が沸いたということでしょう。

義母名義のネット証券口座の開設手続きをしていますが、手続きが完了するころには株を買いたいなどとは言わなくなるのではないかと思います。