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やはり俺の青春ラブコメは間違っている。アニメ 第1話解説

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。は渡航原作の同名のライトノベルのアニメ化です。

今回は原作の最新刊である13巻発売を記念して、いまさらながら、アニメ1話を最新刊まで読んだ視点から様々な考察の要素が読み取れる第1話を解説していきたいと思います。

長文&ネタバレ注意です。

冒頭

青春とは嘘であり、悪である。青春を謳歌せし者たちは、常に自己と周囲を欺き、自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。彼らにかかれば、嘘も秘密も罪咎も失敗さえも青春のスパイスでしかないのだ。仮に失敗することが青春の証であるならば、友達作りに失敗した人間もまた、青春のど真ん中でなければ、おかしいではないか。しかし、彼らはそれを認めないだろう。すべては彼らのご都合主義でしかない。結論を言おう。青春を楽しむおろか者ども砕け散れ。

これは主人公である比企谷八幡が国語の課題である「高校生活を振り返っての作文」として提出した文の冒頭です。 アニメ本編では最初にこの作文が呼ばれ、最後の「砕け散れ」、というセリフに余韻を残してOP(ユキトキ)に入ります。この入り方良いですよねえ…

この作文は主人公、比企谷八幡の最初期の性格を一番に表しているセリフです。教室の隅っこでイヤホンをして休み時間は寝たふりをして過ごす主人公はこのような捻くれた思考を持っているのだと最初の作文でよくわかります。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13) (ガガガ文庫)

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「奉仕部」

このような捻くれた作文が当然先生にすんなり受理されるはずもなく、比企谷は国語の教師で担任でもある平塚静に職員室に呼ばれ説教されます。

比企谷の捻くれっぷりに心配した平塚先生は彼を「奉仕部」という部活で更生させようと奉仕部の部室に新入部員として連れていきます。

そこには、偏差値が高く女子が多い派手なクラスであるJ組で一際異彩を放ち、成績優秀、眉目秀麗である雪ノ下雪乃が一人部室の真ん中にポツンと座っていました。

平塚先生は「彼の曲がった性格を更生してほしい」と雪ノ下に依頼をして去ってしまいます。

部室に取り残された2人はお互いに罵り合いをしていく中で雪ノ下も自分と同じく友達がいないのだということを比企谷は知り、自分と雪ノ下はどこか似ているのではないかと思い始めます。

 

奉仕部に入ったときに、平塚先生は比企谷の性格を更生してほしいと言っていますが、のちに雪ノ下も比企谷にあてられて何か変化があるのではないかと期待して奉仕部に入れていたことが判明します。 雪ノ下は優秀すぎる自分を妬む社会を変えていこうと主張するがゆえに優秀な自分を隠さずに暮らしているのでクラスでも孤立している一方、比企谷は過去のトラウマから「人間関係で傷つくなら初めからいらない」と言って何もせずに孤立している。 このシーンで比企谷は「俺と雪ノ下はどこか似ているような気がした」というセリフを吐いていますが、後になってそんなことはないのだと気づきます。

この、対比の演出は「一見すると2人は似ているけれども実際には全く似ていない」というアニメの最終回のセリフに共通するような関係性が実は第一話から出ているのです。

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由比ヶ浜結衣

そんな、静かな雰囲気が流れる奉仕部に依頼人である由比ヶ浜結衣が奉仕部に訪れます。

由比ヶ浜結衣は比企谷と同じクラスの一人でリア充のグループに属している明るい女の子です。頭は残念(比企谷談)だが、周りに共感する能力と持ち前の明るさという奉仕部の二人にはない性格の女の子が、好きな人に手作りクッキーを上げたいから作り方を教えてほしいと依頼をしてきます。

手作りクッキーがなかなかうまくいかなくてやる気をなくす由比ヶ浜に対して雪ノ下はもっと努力をしろとキツイ言葉で叱責します。

そんな、雪ノ下を見て「カッコいい」という由比ヶ浜。

 

いままで、周りに共感して合わせてきた由比ヶ浜にとって自分の意見をはっきりと言う雪ノ下の姿はとても新鮮に映りました。そういえば、高校でもずっと共感している人がいた気がします……  結構、大変そうでしたよね・・・

手作りクッキーの行方

そうはいってもなかなかうまく作れないクッキーでしたがそこで一言、比企谷が

「どうしておまえらうまいクッキー作ろうとしてんの?」

このセリフにキョトンとする二人ですが、比企谷はもらう男の視点として女子から手作りのものを貰うだけでうれしくて舞い上がってしまうのだから、クッキー自体は別にうまくなくてもいいと言ってこの依頼主である由比ヶ浜を納得させ終わらせます。

雪ノ下は美味しく作れるのであれば自分をもっと高めるべきだと思うけど…と少し納得のいっていない様子だった。

 

このシーンは雪ノ下と比企谷の問題への対処の仕方を如実に表しています。

雪ノ下は問題を依頼主本人の努力でしっかりと解決することを目標にして動いていますが

比企谷は問題に対して「対処」や問題そのものをなくしてしまう(壊してしまう)ことをして問題自体をなかったことにしようとします。

この二人のやり方の違いは話が進むごとに徐々に二人の溝を深めていきます。

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由比ヶ浜のクッキーの行方

後日、由比ヶ浜は手伝ってくれた奉仕部に対してお礼に雪ノ下と比企谷にクッキーを渡しに来ます。

その後、由比ヶ浜も奉仕部に入ることを告げて第一話は終わります。

 

結局、由比ヶ浜はクッキーを気になる人に渡せたのでしょうか?

答えはイエスです。

実は、由比ヶ浜は高校生活初日に自分の犬を身を挺して助けてくれた比企谷を異性として気になっていたのです。 だからそのお礼も込めて手作りのクッキーを渡したかったのですが 相談した奉仕部に比企谷がいるため「目的は果たせたが果たせていない」(わけわからん…)状態になったまま由比ヶ浜の思いはズルズルと最新刊である13巻までも引きずられています。 めんどいですね。

最後に

第一話だけでもたくさん見るべきポイントや複雑な人間関係が綴られています。高校時代に誰もが感じた、高校特有の人間関係の雰囲気をこのアニメでは体感することが可能です。

高校時代に比企谷みたいな人がいたら自分はどんな風に彼から評価されていたのだろうとか思います。

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。はタイトルこそラノベですが、詳しい状況の描写や透明感のある文体で彼らの暮らす千葉の雰囲気を描写した美少女アニメの皮をかぶった正統派の作品なのでとってもクオリティが高いです。

複雑な人間関係が綴られる、このアニメをぜひとも見てほしいです。

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