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ビットコインは底を打ったのか バブル崩壊からの考察

このところビットコインの価格が上昇しています。4月初めの直近の安値から約50%も上昇。アルトコインも右に倣えで上がってきており良い感じに仮想通貨資産が増えだしています。

一時はこのまま消滅してしまうのではないかという恐怖にも襲われた仮想通貨。幸いにもコインチェックに置いていたので取引ができず、そのままにしておくしかなかったので底値で狼狽売りしなくて済んだようです。

はたして底を打ったのか?

ビットコインの円建ての価格は最高値の12月19日に2,315,000円と付けてから最安値の2月6日の603,000円まで下落し、その後に少し回復したものの再度下落、4月初めに700,000円を底値に回復に転じています。最安値時は最高値の約30%にまで下落したわけでまさにジェットコースター並みの下落です。

この最高値から30%という水準がはたして底値と言われる水準であるか見ていきたいと思います。

バブル崩壊後の日経平均株価はどうだったか?

暴落と言えば、なじみ深いのがバブル崩壊です。私のようにこの間ずっと株をいじって来た身からすれば、その時々の恐怖と絶望感は今でも思い出せます。そして底を打ったときのあの「コツン」という感覚もまた覚えています。

バブル崩壊による暴落

最高値 1989年 38,915円 ⇒ 最安値 1992年 14,309円 1995年 14,485円

この時は2番底を形成する相場で1992年にいったん底を打ったものの再度下落。ほぼ同じ水準にまで下落後に回復しています。それぞれ最高値から36.9%,37.4%の水準まで下落しました。

消費税5%にアップ・構造改革路線による暴落

最高値 1996年 22,666円 ⇒ 最安値 2003年 7,607円

2番底を形成し、皆がバブルの処理が終わったと思ったのも束の間、当時の大蔵省に焚きつけられた橋本政権が消費税の5%へのアップを実施。株価はみるみるうちに落ちていきました。その後アメリカのITバブルと小渕政権の積極財政で回復するも、その後の構造改革路線による緊縮財政で株価は底抜けしてしまいます。最終的には最高値から33.6%の水準まで下落しました。

リーマンショックによる暴落

最高値 2007年 18,261円 ⇒ 最安値 2003年 7,054円

小泉政権による郵政民営化路線への期待とアメリカの株価上昇に引きずれらる形で株価は上昇しましたがリーマンショックに巻き込まれて株価は再度下落。バブル崩壊後の最安値を更新してしまいます。この時は最高値から38.6%の水準で踏みとどまりました。

半値八掛け二割引

相場の格言に「半値八掛け二割引」という言葉があります。天井を付けた後下落局面に入った時に、底の水準を判断する目安とされるもので、0.5×0.8×0.8=0.32でだいたい高値の3割近くまで下落するというものです。

バブル崩壊後の暴落局面での下落水準はみな30%台ですから、まさにその通りの展開になっています。

今回のビットコイン暴落相場はどうでしょう?先に書いた通り、最高値から30%台を付けていますので、ここはいったんは底を打ったと思っています。特に2月の水準は30%を切った水準まで下げましたので、そこが大底だったような気がします。

ビットコインは現物メインの取引ですので暴落時に空売りの買戻しが入らないので短期間にオーバーシュート気味に下落しがちだと考えると妥当な水準かと思います。

ただしこの水準が底であるのは、あくまで「今回の暴落」についてで、先のバブル後の暴落の歴史に見る通り、別の悪材料が出ると、またそこから暴落が始まることもあり得ます。また仮想通貨自体が歴史が浅く、そもそも価値がそこまでないということも考えられます。

そのあたりを踏まえた上で無くなっても仕方がないと諦められる範囲で楽しみたいと思います。